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女性バーテンダー

日付が変わろうとする時間一人の若い女性が来店した

”ナナ”さんだ 前回カリラをストレートで飲んだ女性だ

カウンターの席の真ん中に座る
バック棚のボトルを眺めている

メニューは要らないだろう

『いらっしゃいませ』

「え~っとぉ・・・」
「あった スプリングバンク下さい」

『10年物でよろしいでしょうか』

「21年を ストレートで」

21年は上から2番目の棚のボトルの後ろの方に置いていた
メニューも見ずによく気付いたものだ
はしごに登り手に取る
スプリングバンクは女性に人気がある
直感で同業者と思った

「生意気と思うかもしれませんが良ければマスターもお好きなのを1杯どうぞ」
「あまり高いのは無理ですけど・・・」
不安そうな顔をした

『ありがとうございます ではミラーを頂いてもよろしいでしょうか』
素直に御厚意に甘えることにした

「どうぞ」
笑顔になった

彼女の第一印象は「カッコイイ」だった
ショートヘアが似合っている
彫りの深い顔立ち
ボーイッシュな感じでお洒落だ
同性からもモテるであろうと思った

BARで1番最初に飲んだのがスプリングバンクだったと言う
話す瞳がキラキラ輝いている
余程の思い入れがあるのだろう・・・

聞くとやはり同業者だった
最近まで離れたところでバーテンダーをしていたらしい

前回たまたま表通りを歩いていて看板を見つけたのだと言う
手作りしたかいがあったようだ

「これから楽しみが増えました」

彼女とは気が合いそうだ
同じバーテンダーとして色々な考えが聞けることだろう
これから楽しみだ

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