メールが届いた
30分程遅れるとのことだった
ヘルメットを取ると優しいそよ風が頬を撫でた
周りを見渡す
辺りはすっかり暗くなっていた
虫の声がする
緑色に何かが光った ホタルだ
住宅街なのに珍しい
新ためて周りを観てみた
人の手によって植えられた木の裏側は自然がそのまま残されていたのに気付いた
街灯の灯に背を向ける
すると目の前に自然が広がった 色々な種類の草木が生えている
虫の音色が心地好い
暗闇の中で風に揺れる枝
その間に小さく光が見える
星だ
空を見上げた
星がひとつまたひとつ
目が慣れるのにつれ今にも消えそうな明かりの星がいくつも見えてきた
いつの間にか別の世界の中にいた
ボーっとしていると色々なものが見えてくる
赤と白の小さな動く光
飛行機だろうか それとも衛星だろうか
あの小さな星にはどうやっていくのだろう
同じような生物がいるのだろうか
星を眺めていると宇宙に吸い込まれそうな感じになる
子供の頃から星は好きな方だ
数十分間の出来事だった
私を現実に戻したのは蚊だった・・・
結局1時間近く待たされた
でも
待つ間の隙を持て余した時間も悪くはなかった