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入るに入れない

Bar Basil の開店時間は遅い
開店前の掃除をしていた時だ 外の街灯の灯りが差込静かにドアが開いた
ゆっくりと ほんの少しだけ どうやらこちらの様子を伺っている様だ

「どうだ?」
「よく分からないよ 誰もいないみたい」
ヒソヒソ話が聴こえる 若い子のようだ 新成人になったばかりかも知れない

「古臭い音楽しか聴こえないよ」
「代わってみなよ」
じっと聞き耳を立てている 話声からして3人ほどだろうか

Basil は ドアを開けると正面は壁だ
一歩中に入らなければ店の中の様子が分からない
その先には私が ”ほうき” を持って立っていた
見たらどういう反応をするだろうか
ビックリするだろうか? 面白くなってきた

ドアの前へと歩み寄る
5秒程だろうか沈黙が続いた

「中 真っ暗だよ」
「潰れてるんじゃね?」
「怖いよ」
「変なのが出て来るんじゃね?」
「なんか 人のパネルが飾ってあるよ ライトで照らされてこっち見てるよ」
「怖えよ」
ドアをゆっくりと閉めようとしている

途中ドアを掴まえてみた

叫び声と共にバタバタと数人が走って行く音がした

恐怖の幽霊 Bar などと拡散され有名になって繁盛するかも知れない

いっそのこと思いっきり笑顔で「いらっしゃ~い!」と開ければ良かっただろうか
・・・潰れるのも時間の問題かもしれない

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