重い木の扉を開ける
ヤニとアルコールの混ざった独特な匂いが霧がかかったようにスポットライトに浮かび上がる
目の前にはモノクロの JAZZ 演奏者のパネルが飾られてあり闇の中で静かに照らせれている
全体像はまだ見えない
薄暗い中に入ると間接照明と床の淡い灯りに包まれる
奥に向かって肘掛けのついた椅子が2脚と
棚の正面には8脚の椅子がL字型のカウンターに並ぶ
テーブル席が1つとソファー席が1つずつ
奥にはピアノを置いてはいるが弾くことはない
最小限に絞ったスポットライトとキャンドルの灯りが棚のボトルとカウンターを照らす
ボトル棚には主にシングルモルトウヰスキー 私好みの物に偏っている
カウンターの内側には私1人だけ
BGMは特に決まってはいない 気分によって SOUL MUSIC や JAZZ を流す
特にこれといった特徴があるわけでもない
どこにでもあるありふれたショットバーだ
場所は大通りに面したマンションの一室にある
外からは一切見えない 近所の方も知らない方がほとんどだ
そんな隠れたバーが私の店だ
尤も隠れているつもりは毛頭ないのだが・・・